揚げ物のコツ
天ぷら、から揚げ、フライなどの揚げ物は揚げたてが一番おいしいです。揚げ物はひと手間かかる調理法ですが、コツを覚えて市販のお惣菜では味わえないおいしい揚げ物を家庭でぜひ召し上がってください。
カラッと揚げるコツ
★薄めの衣(ころも)
薄力粉や片栗粉だけで衣をつける場合は水分(下味のしょうゆなど)を拭き取って粉をつけ、軽くはたいて余分な粉を落とすと、衣が薄くつき、カラッと揚がります。
★新しい油
カラッと揚げるには、新しい油を使うとよいです。とはいえ、毎回新しい油を使うのは不経済ですし、2回くらいは揚げ物に使えますので、揚げ物に使った油はオイルポットなどに入れて空気に触れないように保管してください。また、保管した油は炒め物用として使うのもよいでしょう。
★少量ずつ揚げる
一度に油に入れる素材の量が多いと、油の温度が下がってしまうので、一度に揚げる素材は油の表面積の1/2〜2/3を目安にしてください。また、揚げる最中に何度も上下を返したり菜箸でさわると、衣が崩れてしまうので注意しましょう。
★仕上げは温度を高くして、油切れをよく
揚げ始めは素材の水分を飛ばすと同時に中心まで火を通します。徐々に温度を上げてきれいな色をつけ、油から引き上げる直前に高温にすると、油切れがよく、カラッと仕上がります。
中温で揚げて一度取り出し、油を高温にしてもう一度さっと揚げる二度揚げという方法でも油切れがよくなります。
揚げ油の温度の見分けかた
衣を少量、あたためた油に入れてみましょう。
衣を入れる前に、必ず菜箸で全体を数回混ぜ、温度を均一にしてください。
☆160〜170℃(低温) 衣が鍋の底に沈み、ゆっくり浮き上がる。
かぼちゃやさつま芋など、火の通りにくい素材を揚げ始める温度。
☆170〜180℃(中温) 衣が途中まで沈み、すぐに浮き上がる。ほとんどの素材に適した温度。
☆180〜200℃(高温) 衣を入れた途端に油の表面で散る。油切れをよくするための二度揚げや、鮮度のよい魚介類や、ちくわなど加熱しなくても食べられる素材を揚げる場合に適しています。ただし、高温で揚げると素材の水分が十分飛ばないので、揚げたてはかりっとしていますが、時間がたつとしんなりしやすいです。
揚げ油の量
たっぷりの油を使うとカラッと揚がります。少量の場合は、素材が半分つかる程度の量でも揚げられますので、油の後始末も楽になります。
揚げ上がりの目安
素材を油に入れた直後は、細かい泡がたくさん出て、ジュージュー(ジャージャー)と大きな音がします。素材の水分が抜けて中心にまで火が通ってくると、泡の大きさは大きく、量は少なくなり、カラカラ(パチパチ)と澄んだ音になります。
揚げる時間は素材や大きさによって違いますので、気泡の大きさや音などよく様子を見てください。
衣の種類
【から揚げ】
鶏肉、かれいやあじなどの魚に向く調理法です。
片栗粉&卵
で作る衣
まろやかでさっくりとした口当たりに仕上がります。
やや焦げやすいですが、適度な揚げ色がつきます。
衣の粉が油に散らないので、油が汚れにくいです。
薄力粉で
作る衣
吸収する油の量は、卵を使った衣やパン粉衣に比べて少なくなります。
片栗粉に比べてしっとりとした仕上がりになります。
から揚げ
【竜田揚げ】
鶏肉、かれいやあじなどの魚に向く調理法です。
下味をつけた素材に片栗粉で衣をつけます。
表面に白い粉が吹いたようになり、パリッとした食感です。
しょうゆでうっすらと色がついている様子から、紅葉が散った竜田川に例えて『竜田揚げ』といいます。
【パン粉揚げ(フライ)】
素材に薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて揚げます。豚肉、鶏肉、ささみ、いか、えび、かき、鮭、たら、めかじきなどの素材やコロッケ、野菜に、と応用の幅が広い衣です。
乾燥パン粉 生パン粉に比べて細かく、素材の味を引き立てます。目が細かいほど吸収する油の量は少なくなります。生パン粉より揚げ色がつくまでの時間が短いので、さっと短時間で揚げる素材に向いています。
生パン粉 ボリュームが出て、ざくっとした食感を楽しめます。家庭で残ったパンをフードカッターにかけて作ると、おいしいパン粉になります。
パン粉揚げ(フライ)
溶き卵が多くつくと、衣が固く、重くなります。
水や牛乳を少量加えるとさらさらとした溶き卵になるので、卵のつき過ぎを防げます。
揚げている最中に取れてしまった衣は、網できれいに取り除くと、次に揚げるものがきれいに仕上がります。
《フライに合うソース》
・ケチャップ+ウスターソース+練り辛子
・タルタルソース(ゆで卵・玉ねぎ・ピクルス・パセリのみじん切り)
【天ぷら】
いかやえび、きすなどの白身魚、さつま芋やじゃが芋、れんこん、にんじん、ごぼう、なす、おくら、山菜、しいたけ、舞茸などの素材が向きます。
衣に粘りがあると、カラッと揚がりません。
  冷水 小麦粉
さらさらの衣 3/4カップ(150ml) 1個 1カップ(約100g)
かための衣 1/2カップ(100ml) 1個 1カップ(約100g)
※卵を使わない場合は卵の分として水50mlを加える
卵を
加える衣
きれいな揚げ色がつきますが、卵を入れない衣に比べると油を吸う量が多くなります。
卵を
加えない衣
卵を加える衣より、軽く揚がります。
衣のかたさはお好みですが、一般的にえびやきすなどはさらっとした衣で揚げ、根菜やかき揚げなどはややかための衣がむきます。
天ぷら
《衣に粘りを出さない工夫》
粘る性質のグルテンが少ない薄力粉を使います。
あらかじめふるってかたまりをなくしておきます。
卵と冷水に混ぜる際、薄力粉を数回に分けて加え、練らないようにして混ぜましょう
(混ざりきらなかった薄力粉が見えていても大丈夫です)。
加える水があたたかいと衣に粘りが出てしまうので、冷たい水を使います。
氷を衣の中に入れておいてもよいでしょう
(氷が溶けて衣が薄くなったら薄力粉を少しずつ加えて調整してください)。
揚げる時に衣を火のそばに置かないでください。
大量の素材を揚げる場合、衣は少量ずつ作りましょう。
時間が経つと粘りが出てくるので、素材の下ごしらえがすんでから衣を作ってください。
衣をつける前に、素材に薄く薄力粉をまぶすと、揚げる時に衣がはがれにくくなります。
野菜と魚介類を同時に揚げる場合は、まず低めの温度でかぼちゃ、さつま芋などの根菜を揚げ、次になすやししとうなどの野菜を揚げます。
いかやえびなどの魚介類は最後に揚げるとよいでしょう。
《天ぷら合うつゆ・たれ》
・めんつゆ、ぽん酢(+大根おろしやもみじおろし)   ・山椒塩(山椒の粉末+塩)
・抹茶塩(抹茶+塩) ・カレー塩(カレー粉+塩)
【変わり揚げ】
アーモンドスライス、コーンフレーク、あられ、湯葉、短く切った春雨や茹でる前のそうめんなどを衣に使います。
食感や見た目などが一風変わって素材におもしろい表情が生まれます。
素材に薄力粉、溶き卵をつけてから春雨などをつけます。薄力粉やパン粉衣より油を吸う量が多くなるので、エネルギー摂取量は多くなります。
変わり揚げ
【素揚げ】
素材に何もつけずに揚げる方法です。じゃが芋やなす、ししとう、大葉などの野菜が向きます。
薄切りにしたじゃが芋やれんこん、さつま芋を素揚げにするとパリパリの野菜チップスになります。
脂肪分の多い肉や魚などは向きません。
完全に水分を飛ばさないと、揚げてから時間が経った場合にカリッとしません。
油の後始末
油は熱いうちの方がさらさらしているのでこしやすいですが、熱いと危険なので、ある程度冷めてからこし網とキッチンペーパーを組み合わせて、衣のかすを除きながらオイルポットに移してください。
一度使った油は酸化してしまいますが、できるだけ空気にふれないようにして冷暗所で保存し、油の劣化を防いでください。
使い終わった油は、市販の油の凝固剤などを使って捨ててください。ごみの処理方法はお住まいの自治体のきまりに沿って分別して捨ててください。