和食の配膳について
私達は和食以外にも、イタリアンや中華など様々な国・地域の料理をいただく機会に恵まれています。
このように自国以外の料理を日常的に楽しんでいるのは日本だけとも言われていますが、食事回数が最も多いのはやはり和食ではないでしょうか。ここでは和食の基本の中で、家庭での食事の場面で役に立つ配膳を中心にご紹介します。
1.配膳位置と食器、お箸の位置
【ごはんは左、汁物は右】
和食では、ご飯を左の手前に、汁物を右の手前に置くことがマナーです。
古来、日本の宮廷には「左上位」という左大臣は右大臣よりも位が上との考え方がありました。
その影響で貴重な作物であった米を左に配置する文化が形成されたようです。
【お箸の位置】
お箸は食べる人の手前に、箸置きを左にして、箸先が左に向くように置きます。
これは、箸を取り上げやすいようにするためです。
食事中、箸を使わない時は箸置きに置きます。食器の上に置くこと(これを嫌い箸の『渡し箸』といいます)はしないようにしてください。
【手で持つ食器】
焼き魚、刺身、天ぷらなど、主菜の大きいお皿は手で持ちませんが、和え物などの副菜やご飯、汁もののお椀は手で持っていただきます。副菜を左の奥に配置するのは、器を持つ方の左手で取りやすいと考えられたためのようです。
《お箸の使い方の豆知識》
2.料理の盛り付けについて
【天盛り】
和食の盛り付け方の一つで、煮物や和え物などの上に香りのものなどを添えることです。
料理に季節感や香り、彩りを添え、香りなども楽しむと同時に、「この料理はまだ誰も手をつけていないものです」というおもてなしの気持ちを表します。
針生姜(ごく細いせん切りにした生姜)、白髪葱(長ねぎの白い部分だけを細いせん切りにしたもの)、木の芽、ゆずの皮をそいだもの、みょうがのせん切り、かつお削り節、ごま、海苔などを用います。
【添え物・あしらい】
焼き魚などの主菜に添える、野菜の漬物などです。和食では、大きいものを奥に、小さいものを手前に盛る決まりがあるため、主菜の右手前に置きます。はじかみ生姜(芽生姜の甘酢漬け)やしし唐辛子など、多少長さのあるものは主菜に立てかけるように添えることもあります。
添え物・あしらいには大根おろしや、野菜の漬物(塩漬け、甘酢漬けなど)、柑橘類(すだち、かぼす、レモン)、栗やさつま芋の甘露煮などを用います。主菜の味付けを引き立たせたり、季節感の演出や口直しになるものです。
【お皿の数】
昔、日本では中国から伝わった陰陽五行説と仏教の影響で奇数を陽数という縁起の良い数と考えていました。
お正月、雛祭りなどのお節句が奇数月の奇数日になっているのもそのためです。
この陽数の考えは食事の場面にも取り入れられ「一汁三菜」という食事スタイルにも繋がりました。
これは縁起の良さに加え、バランスの良い食事となり、日本人の健康を支えてきたとも考えられています。
【魚料理の向き】
一尾の姿で料理した魚は左に頭、手前に腹側がくるような向きでお皿に盛ります。さばなどの 皮の面積が広い切り身の場合、下身(2枚又は3枚におろした魚の右側)は頭が付いていた方向を左にすると腹側が奥に向いてしまうので、この場合は腹側が手前、頭の付いていた方を右にして盛り付けます。鮭、ぶりなど皮の面積が狭い切り身は、皮が見える面を表にし、皮を奥側に置いて盛り付けます。