乾物の扱い方
乾物は常温で保存でき、栄養がたっぷり凝縮された食材です。
戻すひと手間はありますが、簡単な下ごしらえで調理できますので、ぜひ活用してください。
ここでは、代表的な乾物をご紹介します。
★乾物に共通の保存のしかた
乾物は食品中の水分がとても少なく、生の状態より長く保存することができます。
ただし、湿気やにおいを吸収しやすい、乾物に含まれる脂肪分などが酸化しやすいという特徴もありますので、購入後はあまり長く保管しないようにしてください。
開封後は湿気を防げるような保存用ビニール袋などに入れてしっかり口を閉じておきましょう。
また、一度開封したものは、できるだけ早く使い切りましょう。
湿度の高い梅雨時は冷蔵庫での保存もおすすめです。
《野菜の加工品》
【切干大根】
一般的によく見かける切干大根の他、大根を縦に割って干した『割り干し大根』や、細めの大根を薄く輪切りにして干した『花切り大根』など干す前の切り方によって呼び名が違うものがあります。
茶色に変色していないもの、不自然に白すぎないものを選ぶとよいでしょう。
戻し方 水に入れて手で揉むようにして洗った後、水を変えて、たっぷりの水に10〜15分つけて戻します。
栄養 食物繊維や鉄分が豊富です。また、鉄分は生の状態の大根より格段に増えています。
おいしい
調理法
定番の煮物以外にもサラダや和え物、はりはり漬、炒め物、ひき肉料理に混ぜて使えます。サラダなどに使う場合、水で戻しただけでも食べられますが、さっとゆでると柔らかくいただけます。
【かんぴょう】
夕顔の果実を薄くむき、乾燥させたものです。
戻し方 さっと水で洗い、塩でもんでから水洗いします。塩もみすることでかんぴょうの繊維が柔らかくなります。
鍋に多めの水と共に入れて火にかけ、柔らかくなるまで20〜25分くらいゆで、必要な長さに切ったあと調味料を加えて煮付けます。
栄養 食物繊維や鉄分が豊富です。
おいしい
調理法
甘辛く煮て巻き寿司の芯や五目寿司の具にする他、茶巾寿司の口を結ぶ帯としても利用できます。
やや薄味に味付けした煮物にしてもおいしくいただけます。
【干し椎茸】
『冬茹(どんこ)』と呼ばれる肉厚のものと、『香信(こうしん)』という薄めのものがあります。どちらも同じ種類の椎茸ですが、傘が開く前に収穫して乾燥させたものが『冬茹』、傘が開いてから収穫したものが『香信』です。あらかじめスライスされた干し椎茸は、戻す時間が短いので便利です。
戻し方
干し椎茸がかぶるくらいの水につけ、表面が水面から出ないようにラップを水面にぴったり貼ると、全体がしっかり戻ります。
うまみを引き出し、ふっくら戻すには冷蔵庫で1晩かけて戻すとよいですが、急ぐ時はぬるま湯につけて5〜10分置き、砂糖をひとつまみ加えて500〜600Wの電子レンジで2〜5分柔らかくなるまで加熱します。
(電子レンジの加熱時間は様子を見て調節してください)
栄養 ビタミンD(カルシウムの吸収を助けるビタミン)、食物繊維が豊富です。
おいしい
調理法
煮物や炒め物、和え物、スープなど様々な料理に使えます。生の椎茸より味やうまみが凝縮しているので、どちらかといえば薄味より濃い目の味付けが向きます。
戻し汁にもうまみが移っていますので、煮物やスープの場合はだし汁の一部に使うとよいでしょう。
【きくらげ】
名前に「くらげ」とついていますが、きのこの仲間です。小さめで薄く黒い『姫きくらげ』、表は黒ですが裏が白い肉厚の『裏白きくらげ』、色が白い『白きくらげ』などがあります。『裏白きくらげ』は水で戻すと全体が黒くなります。
戻し方 たっぷりの水に10〜30分つけて戻し、使いやすい大きさに切ったり手でちぎって使います。硬い部分(石づき)は食感が良くないので、戻したあと除きます。干し椎茸と違い、戻し汁にはうまみが移らないので使いません。
栄養 黒いきくらげは鉄分やマンガン(骨の形成を助けるミネラル)、マグネシウム(カルシウムと共に働くビタミンで歯や骨を丈夫にするミネラル)、ビタミンDが多く、白きくらげはカリウム(多く取りすぎたナトリウムを体外に排出する働き)、ビタミンDが多く含まれます。
おいしい
調理法
中華風のサラダ、スープ、炒め物などに使います。肉団子などに刻んで加えると食感に変化が出ます。
また白きくらげはシロップで煮るとデザートにもなります。
《大豆・でんぷんの加工品》
【高野豆腐】
豆腐を薄く切って凍結乾燥させたもので、凍み(しみ)豆腐、凍り(こおり)豆腐とも呼ばれます。
高野豆腐は原料の大豆由来の脂肪分が多いため、その脂肪分が酸化しやすい性質があります。長期間保存せず、特に開封後は早めに使い切りましょう。
戻し方 片面1〜2分ずつぬるま湯につけて戻し、水分を絞ってから使うものが一般的ですが、商品によっては戻さずに煮ることができるものもあります。パッケージの表示をよく確かめて調理してください。
栄養 鉄分、マンガン、亜鉛(不足すると味覚が鈍ってしまう)などが多く含まれます。
おいしい
調理法
含め煮、卵とじ、太巻き寿司の具などに使います。
【麩(ふ)】
麩は小麦粉のたんぱく質(グルテン)を練って作った生地を成形して焼き、乾燥させたものです。
一口サイズの『小町麩』、中心に黒い渦が入っている『観世麩』、何層か重なった輪状の『車麩』、形や色のきれいな『花麩・手まり麩』、薄い板状の『庄内麩』など様々な種類があります。また、京都や金沢など地方特産の麩も多くあります。
戻し方 熱湯に入れると表面が締まってかたくなってしまうので、水またはぬるま湯につけて戻します。
柔らかくなったら水けを絞り、車麩や庄内麩は食べやすい大きさに切ってから調理します。
栄養 車麩や庄内麩には、マンガンが多く含まれます。
おいしい
調理法
小町麩、観世麩、花麩はみそ汁やすまし汁に使います。車麩は煮物やすき焼きなど、庄内麩はみそ汁や酢の物などに使います。
【春雨】
緑豆で作った春雨や、じゃが芋やさつま芋のでんぷんから作られた春雨があります。
緑豆春雨は長時間の加熱でも煮崩れしにくいです。芋類の春雨は煮ると溶けやすいものもありますが、煮汁を含みやすいという特徴もあります。
戻し方 お湯で手軽に戻すこともできますが、特にサラダなど加熱しない調理に使う場合は、熱湯で3〜4分ゆで、水にさらして冷やすと食感がよくなります。
栄養 低エネルギーでもボリュームを出すことができますので、食事のカロリーが気になる方におすすめです。
おいしい
調理法
サラダ、スープ、炒め物、マーボー春雨などの炒め煮、春巻きや中華まんの具などに使います。
《海産物の加工品》
【昆布】
だし用や煮物用の他、刻んである『刻み昆布』、酢漬けにして薄く削った『とろろ昆布』『おぼろ昆布』など、たくさんの種類があります。
戻し方 だし用は、水1リットルに対して10cm角の昆布を加え、30分から1時間おいたあと、中火にかけます。
沸騰する直前に昆布を引き上げてください。長く加熱すると、ぬめりや独特のにおいが出てしまうので注意しましょう。かつお節を一緒に使う場合は「作ってみよう 和風だしの取り方」をご参照ください。
だしをとった後の昆布は、細く刻んでしょうゆ、砂糖で佃煮風に煮付けると無駄なくおいしくいただけます。
栄養 ヨウ素(成長を促進して体内のエネルギーを作る働きの甲状腺ホルモンの活動を活発にするミネラル)が豊富です。ナトリウムを多く含みますが、カリウムも多く含んでいます。
おいしい
調理法
刻み昆布はさっと洗って水で戻し、食べやすい長さに切ってから使います。
煮物、炒め煮、松前漬けなどがおすすめです。
とろろ昆布は昆布の表面に対して直角に削ったもので、ふわっとした食感があります。お吸い物やおにぎりに巻いてお使いください。
おぼろ昆布は酢漬けにした昆布の表面を削ったものです。芯に近いものほど白っぽい色になります。
おにぎりに巻いたり、うどんやにゅうめんのトッピング、おでんに(大根や練り物に巻いて)使うとうまみが加わり、おいしいです。
【ひじき】
ひじきには『芽ひじき』と『長ひじき』があります。
『芽ひじき』は葉先(芽)の部分を摘んだもので、歯ごたえのある食感です。『長ひじき』は茎(枝)の部分で柔らかくいただけます。水で戻したあと、食べやすい長さに切ってから調理するとよいです。

水で戻すと、乾燥時の約8〜10倍に増えます。
戻し方 たっぷりの水につけて戻し、他の海藻や砂などが混ざらないように水から取り出します(ひじきは細かい海藻なので、収穫の際に砂など異物が混ざってしまうことがあります)。『芽ひじき』と『長ひじき』の調理法は同じですが、長ひじきは戻し時間をやや長くとってください。
栄養 鉄分、マグネシウム、カリウムが多く含まれています。
おいしい
調理法
煮物、サラダ(戻したひじきをさっとゆでて加えてください)、ひじきごはんなどにしてもおいしいです。