中華料理の調味料とスパイス
中華料理に使う独特の調味料と香辛料は数多くの種類があります。使いこなすのは難しいと感じたり、使い切れないこともあるかもしれませんが、レシピ通りの使い方だけでなく、いつもの炒め物や和え物に少し加えて中華風の味付けや香りを楽しんでください。
ここでは、身近なスーパーマーケットなどで手に入る調味料とスパイスをご紹介します。
☆豆板醤(トウバンジャン)
空豆を発酵させ、塩と唐辛子を加えたものです。野菜炒め、麻婆豆腐、鍋料理の辛み付けに使います。非常に辛いので、少しずつ味を見ながら加えてください。四川料理には欠かせないものです。
☆甜麺醤(テンメンジャン)
小麦粉と塩を発酵させた甘味噌です。回鍋肉(ホイコーロー)などの野菜炒め、麻婆豆腐、肉みそ、生春巻きや北京ダックのたれに使います。
☆XO醤(エックスオージャン)
干し貝柱、干しえび、中国ハム、唐辛子などで作られる高級調味料です。広東料理によく使われます。
☆芝麻醤(シーマージャン)
ごまを油が出るまですり、油でのばしたものです。坦々麺、棒々鶏や和え物のたれに使います。
☆辣油(らーゆ)
ごま油に唐辛子を加えて加熱し、辛味と色を移したものです。唐辛子の他に、山椒、八角、陳皮(ちんぴ・みかんの皮を乾燥させたもの)などが加わることもあります。主に餃子やしゅうまいのたれ、ラーメンなどの料理に添える食卓調味料として使います。
☆黒酢
米、あわ、ひえ、コーリャンなどの穀類を発酵させて作りますが、産地によって原料・製法が異なり、鎮江香醋(チンコウシャンツウ)、老陳醋(ラオチンス)など様々な味わいの黒酢があります。酸味だけではなく、甘味とコク、香りがあり、炒め物や和え物、酢豚に使う他、中華粥や水餃子に添える食卓調味料としても活躍します。
☆オイスターソース
牡蠣を塩漬けにして発酵・熟成させ、食塩、酸味料などを加えて加熱して作られる調味料で、広東料理によく使われます。魚介類、肉類、野菜、きのこ類の炒め物やあんかけ料理、チャーハン、中華風の煮物などに使われます。マヨネーズと組み合わせてもおいしく、また和風の煮物の隠し味にも使えたりと、和洋中問わず幅広く活用できる調味料です。
☆チリソース
赤唐辛子、トマトケチャップ、にんにくなどで作られた辛めのソースです。エビチリ、餃子のたれ、炒め物の辛み付けに使います。
☆スイートチリソース
甘さと辛さを合わせ持つソースです。生春巻きのたれや酢豚、揚げた豚肉や鶏肉を和えたり、エスニック風サラダのドレッシングに使います。
☆豆豉(とうち)
黒豆を麹で発酵させて作る塩辛い調味料です。粒を刻んで回鍋肉(ホイコーロー)や麻婆豆腐、野菜炒めに加えます。ペースト状の豆豉醤もあります。
☆八角(はっかく)
スターアニス、茴香(ういきょう)とも呼び、花のような形をしています。豚肉や川魚の臭みを消す効果があり、豚の角煮やカレー、シチューなどの煮込み料理、杏仁豆腐のシロップやピクルスの香り付けに使います。非常に香りが強いので、使用量には気をつけてください。
☆五香粉(ウーシャンフェン)
肉桂、丁子、花椒、陳皮、八角、茴香などの粉末を混ぜ合わせたミックススパイスで、中国料理らしい独特の香りがあります。名前に「五」とありますが、実際は5種類以上のスパイスがブレンドされていることが多く、メーカーによってブレンドする種類も割合も違います。揚げ物の下味や炒め物、肉団子の下味や豚の角煮、あんかけ料理など、四川料理、広東料理でよく使われるスパイスです。また、塩と混ぜて鶏肉や豚肉のから揚げにつけるなど食卓調味料としても活躍します。
☆肉桂(にっけい)・桂皮(けいひ)
シナモンの一種です。中国では漢方薬としても利用されており、解熱、鎮痛、発汗、抗菌作用などがあるといわれています。肉料理との相性がよいスパイスで、パウダーはお菓子作りによく使われます。
☆花椒(ホァジャオ)
中国の山椒で、日本の山椒より辛味は穏やかです。麻婆豆腐の風味付けをはじめ、焼豚や豚の角煮など、肉料理との相性がよいスパイスです。四川料理によく登場します。粉末を塩と混ぜ、揚げ物につけて使う食卓調味料としても使います。
☆丁子(ちょうじ)
欧米ではクローブと呼ばれています。甘い香りが特徴で、肉の臭みを消す効果があるので豚肉の煮込みやシチュー、ポトフ、挽肉料理におすすめです。甘めの味付けや油脂分の高い料理に合うほか、フルーツケーキなどのお菓子にも用いられます。香りが強いスパイスなので、控えめに使ってください。
☆香菜(シャンツァイ)
別名中国パセリとも呼ばれる独特の香りがあるハーブで、中華料理には欠かせません。世界的に非常によく使われており、欧米ではコリアンダー、タイやベトナムではパクチーと呼ばれています。ビタミンCを多く含むハーブです。
☆赤唐辛子
四川料理に頻繁に登場するスパイスです。料理に辛味と色どりを添えます。
《中国料理について》
広大な中国では、各地域で様々な料理が発達しました。ここでは中国の代表的な四川(しせん)・広東(かんとん)・上海(しゃんはい)・北京(ぺきん)の4つの料理について簡単に説明します。
【四川料理】
寒暖の差が激しい気候風土のため、長く保存できる漬物や、唐辛子や山椒などの薬味を使った料理が多くあります。代表的な料理は麻婆豆腐、回鍋肉(ホイコーロー)、酸辣湯(サンラータン)、坦々麺など。
【広東料理】
「食は広東にあり」という中国のことわざがあるほど、特に美味しいと評されています。古くから海外との交流も積極的に行われた地域で、西洋から入ってきたケチャップやパン、カレーなどを使った料理も多くあります。
「四足のものは机以外、飛ぶものは飛行機以外、泳ぐものは潜水艦以外」といわれるほど様々な食材を使い、素材を生かした料理が多いことも特徴です。飲茶・点心も発達しました。
代表的な料理は雲呑(ワンタン)、叉焼(チャーシュー)、杏仁酥(アーモンドクッキー)、酢豚など。
【上海料理】
新鮮な魚介類を使った料理が多くあります。しょうゆと砂糖で甘辛く濃厚な味付けの料理も多いです。
代表的な料理は上海蟹、小龍包(ショウロンポー)、など。
【北京料理】
宮廷料理が発達しました。また、小麦の産地でもあるため餃子やピンと呼ばれる餅や麺類が多いです。
塩や酢で味付けしたり、ねぎやにんにくなど薬味の香りを生かした料理や油脂を多く使った揚げ物・炒め物が発達しました。
代表的な料理は水餃子、杏仁豆腐、花巻(中華まんの皮だけで作った饅頭)など。