大豆と大豆の加工品について
大豆は日本で古くから利用されていた食品で、肉食が盛んではなかった時代には貴重なたんぱく源でもありました。
様々な食品や調味料の原料として、現在も私達の生活に欠かせない大豆とその仲間をご紹介します。
1.大豆
日本へは中国から約2000年前に伝えられたといわれています。農作物の豊作を祈願する『五穀豊穣』という言葉がありますが、五穀とは米、麦、豆、粟(あわ)、稗(ひえ)又は黍(きび)のことです。このことからも、昔から日本の食生活に馴染みが深く、大切な食材であったことが伺えます。
大豆はたくさんの種類があり、粒の大きさや形など外観にも違いがあります。
【黄大豆】 五目煮豆などの料理や、豆腐・みそなどの原料となる大豆です。
【黒大豆】 いわゆる「黒豆」です。
【青大豆】 うぐいすきな粉の原料になります。
★枝豆は未熟な大豆を収穫したもので、大豆の仲間です。
2.大豆製品
食 品 豆乳、湯葉(ゆば)、豆腐、焼き豆腐、油揚げ、厚揚げ、おから、高野豆腐、
がんもどき、納豆、きなこ
調味料 みそ、しょうゆ
《食品》
【豆乳】
大豆を水に浸し柔らかくしてつぶしたものを呉(ご)と呼びますが、これをこして絞った液体が豆乳です。そのまま飲む以外に、ホワイトソースやスープなどの料理を作る際に牛乳の代わりに使えます。牛乳に比べてビタミン類の含有量は劣りますが、鉄分は多く含まれています。
★「無調整豆乳」と「調整豆乳」の違い
JAS法によって、「豆乳は大豆固形分が8%以上」、「調整豆乳は大豆固形分が6%以上」、「豆乳飲料は調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えたもので、果汁入りは大豆固形分が2%以上、その他では4%以上」と定められています。そのままの豆乳と 、 飲みやすく加工した豆乳をわかりやすく区別するため、「無調整豆乳」、「調整豆乳」と呼び分けています。
【湯葉(ゆば)】
湯波とも書きます。湯葉は濃い豆乳を加熱し、表面に浮き上がった膜をすくったもので、生湯葉と乾燥させた干し湯葉があります。生湯葉はわさびしょうゆやぽん酢しょうゆをつけて刺身のように食べたり、和え物などに使います。
干し湯葉は水で戻して、日本料理や中華料理の材料として使われます。野菜や挽肉・魚のすり身を巻いて煮物や揚げ物にしたり、和え物などに使います。生湯葉は傷みやすので、購入したらすぐに使いましょう。
干し湯葉は密封して冷暗所で保存すれば長期保存もできますが、脂肪分が酸化しやすいので早めに使い切りましょう。
【豆腐】
豆乳に、にがりや硫酸マグネシウムなどの凝固剤を加えて固めて作ったものが豆腐です。パックの中に入っている水は、運ぶ時の衝撃を和らげるための水ですので、使う際は表面が崩れない程度に水道水でさっと洗うとよいでしょう。豆腐は日持ちがしませんので、開封したらその日のうちに使い切りましょう。
★「木綿(もめん)豆腐」
木綿豆腐は、豆乳を凝固剤である程度固めたものを木綿の布を敷いた型(水抜きのために穴が開いている)に流し入れ、重石をのせて水分をきりながら固めたものです。表面に木綿の布目がつくことが特徴です。
絹豆腐より形が崩れにくいので、麻婆豆腐などの炒め物は木綿豆腐が向いています。また、水きりをしてから使う料理(白和えの和え衣やゴーヤチャンプルーなど)を作る場合も木綿豆腐を選びましょう。
水きりの方法
・キッチンペーパーに包み、まな板に置き、皿などをのせて10〜15分おく。
・キッチンペーパーに包み、耐熱皿にのせ、電子レンジで加熱する(1丁につき、500Wで約1分30秒)。
・2cmくらいのさいの目切りにし、熱湯で1分くらいゆで、ザルに上げる。
★「絹(きぬ)豆腐・絹ごし豆腐」
絹豆腐は木綿豆腐同様に、豆乳を凝固剤で固めたものを型に流して固めますが、型には穴が開いていません。
水きりをしないで作るため、木綿豆腐より濃い豆乳で作ります。製造過程で布は使いませんが、木綿豆腐の対比表現として「絹豆腐」と呼ばれるようになったようです。
なめらかな口当たりの食感をいかして、冷奴やサラダなどに使いましょう。
【焼き豆腐】
木綿豆腐を更に水きりをし、表面に焼き目をつけたものです。
崩れにくいので、すき焼きや煮物、炒め物などに向いています。
【油揚げ】
木綿豆腐を薄く切り、油で揚げて膨らませたものです。
料理に使う前には余分な油を落とし調味料をなじみやすくするために、熱湯で30秒くらいゆでるか、ザルに置いて熱湯をかけて油抜きをします。油のにおいが気になる時にも効果的です。
油が酸化しやすいので、できるだけ早めに使い切るとよいのですが、残ってしまう場合はラップに包んで冷凍庫で保存しましょう。
みそ汁やいなり寿司、炊き込みご飯の具に使います。カリッと表面を焼いて刻んでサラダなどのトッピングにしたり、油揚げを袋状にした中に挽肉や卵などを詰めて煮物や焼き物にしてもおいしくいただけます。
【厚揚げ】
生揚げとも呼びます。豆腐を厚めに切って油で揚げたものです。中は豆腐の食感が残っていますが、揚げることによって表面がかたくなり、煮物や炒め物に使っても崩れにくいです。
油揚げと同様に油抜きをしてから使うとよいです。
【おから】
呉(大豆を水に浸し柔らかくしてつぶしたもの)から豆乳を絞った残りがおからです。卯の花(うのはな)、雪花菜(きらず、包丁で切らないで調理できる=切らず)とも呼ばれます。油揚げや人参などと炒り煮にしたり、ハンバーグなど挽肉料理のたねに加えて使います。栄養の大部分は豆乳の方に含まれますが、おからは食物繊維が豊富です。
【高野豆腐】
凍り(こおり)豆腐、凍み(しみ)豆腐とも呼びます。水きりをした木綿豆腐小さく切り、乾燥させて作ったものです。
乾燥しているので多少日持ちはしますが、大豆由来の脂肪分が酸化しやすいので、早めに使い切りましょう。
水で戻してから煮物、炒め物、太巻き寿司の具や卵とじなどに使います。
【がんもどき】
単に「がんも」とも呼ぶ場合もあります。また、飛龍(竜)頭(ひりょうず、ひりゅうず)という別名もあります。
水けをきった豆腐を崩し、刻んだ野菜や昆布、山芋のすりおろしなどを加えて成形し、油で揚げたものです。
揚げることで水分が飛んで隙間ができ、その隙間に調味料がしみこみやすくなります。
煮物やおでんなど、おいしい煮汁を含ませたい料理に向いています。
名前の由来は諸説ありますが、雁の肉に似た味なので「がんもどき」と呼ばれるようになったといわれています。
【納豆】
製法の違いによって糸引き納豆、寺納豆、干し納豆などがありますが、代表は糸引き納豆と引き割り納豆です。
★糸引き納豆
蒸し煮した大豆に納豆菌をつけ、発酵させて作ります。大豆の粒の大きさによって、大粒、小粒、極小粒などの種類があります。しょうゆなど水分を加える前によく混ぜると、たくさん糸を引いてふわっとした食感になります。
納豆汁や卵焼きなどの料理にも使います。
★挽き割り納豆
大豆を焙煎(ばいせん)して割り、皮を除いた後に煮てから納豆菌をつけて発酵させます。焙煎によって香ばしさが加わります。粒が小さく、大豆の皮がないために食べやすい納豆です。
巻き寿司の具にしたり、和風ドレッシングに加えてもおいしいです。
【きな粉】
大豆を焙煎し粉砕したものです。黄大豆からは褐色のきな粉、青大豆からは緑色のうぐいすきな粉が作られます。
くず餅やわらび餅、おはぎなど和菓子によく使われています。
《調味料》
【みそ】
みそは原料によって見た目の色、味わい、風味が全く異なります。
麹の原料(米、麦、豆)、味(甘口、辛口)、色(赤、淡色、白)などの分類の仕方があります。
★米みそ
大豆に米麹と塩を加えて発酵させたものです。
仙台みそ、信州みそ、加賀みそ、関西の白味噌などがあります。
北海道、東北、関東、北陸、近畿、中国・山陰・四国の一部で好まれます。
★麦みそ
大豆に麦麹と塩を加えて発酵させたものです。
瀬戸内麦みそ、九州味噌などがあります。九州と四国・中国地方の一部で好まれます。
★豆みそ
大豆と塩のみを発酵させたもので、八丁味噌などがあります。
東海地方を中心に好まれます。
一般に、みそは発酵が進むと色が濃くなります。パック詰めされた製品でも発酵が進みますので、特に夏場は購入してそのまま置いておくと、未開封でも変色やパッケージが膨らむなどの現象がおきます。多少風味や味に変化は出ますが、品質に問題はありません。
【しょうゆ】
大豆と小麦で作った麹に塩水を加えて仕込みます。全国的には濃口しょうゆがよく使われていますが、地域特産のしょうゆがあり、料理によっても使い分けられています。
★濃口(こいくち)しょうゆ
全国的に広く使われているしょうゆです。
★薄口(うすくち)しょうゆ
淡口(あわくち)しょうゆとも呼びます。主に関西で使われ、色が薄く、料理にしょうゆの色をつけたくない場合に便利です。塩分濃度は濃口しょうゆに比べて高いので、濃口しょうゆより控えめに使ってください。
★溜り(たまり)しょうゆ
主に中部地方で使われるしょうゆで、とろみのある濃いしょうゆです。
きれいな色に仕上がるので家庭では刺身や照り焼きに使いますが、加工用として煎餅などのたれにも使われます。
★再仕込(さいしこみ)しょうゆ
しょうゆは普通、大豆と小麦で作った麹に塩水を加えて仕込みますが、再仕込みしょうゆは麹にしょうゆを加えて作ります。味や香りが濃厚で、刺身や冷奴などに使います
★白しょうゆ
薄口しょうゆよりさらに色が薄いしょうゆですが、独特の香りがあります。薄口しょうゆと同じく、料理の仕上がりに色をつけたくない場合に使います。